外来日帰り手術
鼠径ヘルニア手術
鼠径ヘルニアとはいわゆる脱腸のことです。鼠径部といわれる足の付け根の部分が盛り上がることが症状です。成人の場合、腹部の筋肉や筋膜が加齢などで弱くなり、そのすき間から腹膜や腸などが飛び出して起こります。最初はわずかな盛り上がりが次第に大きくなります。
痛みは通常ありませんが、腸が脱出したまま戻らない状態になると、腸の血行障害を来たし、緊急手術になることもあります。したがって、鼠径ヘルニアと診断された場合は手術が必要で、自然に治ることはありません。
鼠径ヘルニアの手術は、でっぱった袋状の腹膜を切除した後、網目状の人工物を腹壁の筋肉の補強に使用する方法が近年主流となっています。
従来の方法では筋肉の組織を縫い合わせて補強していましたが、元々弱くなっている組織を縫合するため、縫合部が裂けて再発することがありました。この点現在の方法では、人工物で補強するため、再発の確率が減少しました。また、以前は術後の入院安静が必要でしたが、新しい手術方法により日帰り手術が可能となりました。